Yukiga Futte Uresiiおすすめの10作品

 僕はYukiga Futte Uresiiさんの作品がとても好きなので、「俺の好きな10作」を紹介します。YukigaさんはOL Oilという名義のプライベートレーベルをやっていて、そことかarchive.orgとかでこれまでの作品を聴ける。なんならarchive.orgからダウンロードもできる。無料で。すごい! クロカワさん(Yukigaさん)のツイートは、twilogで「リリースしました」で検索かけたページをブックマークしてて、新譜がリリースされたら必ず聴いている。で、結構好きな作品が溜まってきたので、これまで聴いてきたなかで好きな作品を紹介します。10位から。

10位 春ではなく、季節でもない

OL Oil

 まずタイトルがいい。4曲入りなんだけど、入っている曲のタイトルも「感情は無」「にぎやかな場所にぼくは行きたい」「誰かひとりが犠牲になる」「誰かひとりが犠牲になった」と、どれもいい……。Yukigaさんの作品の多くは英語の(というかアルファベットの)タイトルなんだけど、たまに日本語タイトルのものもあって、そのどれもが言葉のセンスがすごくいい。

 音は、「感情は無」は無っぽくて、「にぎやかな場所にぼくは行きたい」はフィールドレコーディングなのかな、季節っぽいです。最初は季節でもなくない感じなんだけど、だんだん季節が壊れていくような曲。「誰かひとりが犠牲になる」「誰かひとりが犠牲になった」は対なのかな、どちらも音の情報量が多い。僕は音の情報量が多いのはあまり好きじゃないので、これらはあんまり聴かないです。

9位 Syeoowi

OL Oil

 「Syeoowi (Rain) 」「Syeoowi (Snow) 」の2曲。2曲だけど55分くらいある。1曲目はポタポタと落ちる雨音がだんだんとノイズっぽくなる感じ、2曲目は雪の日のBGMみたいな感じ。静かなノイズを聴きたい方におすすめ。

8位 Akaihuuin

OL Oil

 ゲームボーイの「魔界塔士Sa・Ga」がタイトルの由来。2曲入りなんだけど、タイトルもそれぞれ「こどもの したいだ‥‥」「アーサー‥‥11かい 19-3-21」というちょっと不気味な感じで、音もそんな感じ。ピアノで「ガビーン……」ってなったあとに、雨がサーッと降るっていう。ガーン……子どもの死体見つけちゃった……っていう感じなんだけど、聴いてると意外といいです。

7位 蘇芳

OL Oil

 「吾妻」「衣縫」「数珠」「蘇芳」の4曲。ドローンになるのかな? ピアノの曲があったり静かなのがあったりキュピーって感じのがあったりして、バリエーションがたのしめる。高速バスで移動中にこれを聴いて気持ちよく寝てることが多い。

6位 July Mangosteen

OL Oil

 このへんからだんだんノイズとかわかんない、聴きたくないっていうひとにとっては聴きやすい感じの選出になってきます。「100000000VND」「Justice」「Laha」「July Mangosteen」の4曲。ほとんどがピアノの曲で、特に3曲目の「Laha」をよく聴く。聴きやすいと思います。

5位 Failed Aaaa!

OL Oil

 好きすぎて自分でリミックス作ったこともある作品。「buu」「oo00000」「bbbeeemmm」の3曲入り。ひとりで聴いてたのしむ用に、3曲混ぜてたのをつくってみたんだけど、やっぱり単曲そのもののよさの方が勝ってました。単調だけどユニークなビートが続くドローンなので、これも聴きやすいと思います。

4位 Live140823

OL Oil

 文字通り2014年の8月23日に行われたYukiga Futte Uresiiのライブの音源。ustreamでリアルタイムで聴いてた。つい最近リリースされたんだけど、やっぱりよかった。夏の終わりを思い出した。これまでの作品に比べると、比較的音楽っぽい始まり方をするので(すぐに壊れてノイズになっていくけど)、とっつきやすいと思います。「Live140823」の他に、「Dv Dfd R3」という静かなドローンも入ってます。こちらもおすすめ。

3位 ジョン・ケージというラベルの付いた無音だけを愛する品性下劣な者たちへ

OL Oil

 3〜1位はほんとは同率1位っていうくらいに好きなんだけど、聴きやすさとか思い入れとかを考慮して順位をつけた。3位は「ジョン・ケージというラベルの付いた無音だけを愛する品性下劣な者たちへ」。タイトルちょう長い。「ジョン・ケージというラベルの付いた無音だけを愛する品性下劣な者たちへ」という曲1曲入りで、1時間5分くらいある。内容はというと、ずーっとホワイトノイズ(ゴーッとかザーッとかいうノイズ)が続くだけ。続くだけなんだけど、このホワイトノイズは聴いててとても落ち着く。これ聴いて寝てたりする。高速バスで。リリース時もクロカワさん(Yukigaさん)が「気に入りすぎて、自分の誕生日までリリースを待った」と言っていたくらいいいノイズ。これが好きなひとには、「叙情を捨てろ」という作品もおすすめです。

OL Oil

2位 Halscape

OL Oil

 Yukigaさんの作品のなかで、いちばん聴いた作品。たぶん全作品のなかでいちばん音楽っぽいんじゃないかな。「33 Animals」「Walk into the Ocean to Escape」「Spellchecker」「Lostics」の4曲入り。「Yukiga Futte Uresiiって文字列意味わかんないけどツイッターでよく見かけるし、ノイズって怖いけどちょっと聴いてみたいかも……」という方には、いちばんにこれをおすすめします。僕もこの作品の「33 Animals」という曲がきっかけで、Yukigaさんにどんどんハマっていきました。

1位 Dream of Star Rain City

OL Oil

 書きながら、やっぱこっちが2位かもと思ってしまったけど、1位。「28c Igni Caon」「Basin and Basins」「Just Plllalilnl Sweetness」の3曲入り。3曲目の「Just Plllalilnl Sweetness」がめちゃくちゃ好きで、この曲だけで1位になったような感じ。小さい音で左右からコポコポしたビートが聞こえているんだけど、それがだんだん大きくなっていくという構造。イヤホンとかヘッドホンでボリュームを大きくして聴くとほんといい。

 ほかにもいま全作品見返してみたら、あっ、あれとかこれとか入れてこれ外せばよかったっていうのがあったけど、文章書きなおすのもめんどくさいんで、リンク張ってお茶を濁します。

OL Oil


OL Oil

 これで少しでもYukiga Futte Uresiiに興味を持ってもらって、どれかひとつでも聴いてもらえたらいいなあ。